「製造業では年収が上がらない」「工場からの転職で年収アップなんて無理」——そう思っていませんか?
実際に製造業・工場勤務から転職して、年収が100万円以上アップした人はいます。しかも、特別なスキルや学歴がなくても。彼らが何をしたのか、その方法論を私なりに整理して書きます。
厚生労働省の賃金構造基本統計調査(令和5年)によると、製造業で働く人(フルタイムの労働者)の所定内給与の平均は月30万6,000円で、全産業平均の月31万8,300円をやや下回ります。※1 つまり、製造業から他の産業に転職することは、収入アップのチャンスになり得るのです。

製造業からの転職で年収が上がりやすい職種
まず、年収が上がりやすい職種を挙げます。
ITエンジニア・システム関連
製造業でのFA(ファクトリーオートメーション)や設備制御に携わっていた方は、ITエンジニアへの転職が比較的スムーズです。PLCプログラミングの経験があれば、設備のデータを扱うIoT関連の仕事でも評価されやすく、年収アップにつながることがあります。
IT未経験でも、生産管理システムやERP導入に関わったことがある方は、ITコンサルや社内SEとして活躍できるケースがあります。
製造業向け営業職(メーカー営業)
工場での製品知識・現場感覚は、製造業向けの営業職で大きな強みになります。顧客の現場担当者と対等に話せる技術的な素養は、文系出身の営業職にはない武器です。
インセンティブが充実した営業職に転職することで、固定給ベースの工場勤務より年収が大幅に上がるケースも珍しくありません。
物流管理・SCM(サプライチェーン管理)
生産管理・在庫管理の経験がある方は、物流会社や商社のSCM部門で高い評価を受けることがあります。特に、コスト削減・リードタイム短縮などの実績を数字で示せる方は、即戦力として採用されやすいです。
施工管理・設備管理
製造現場での設備管理経験は、建設業の施工管理や不動産・ビル管理の設備管理職で直接活かせます。これらの職種は現場経験が重視され、転職後も比較的早く年収アップが期待できます。
年収100万円アップに必要な準備①——スキルの言語化

年収アップを実現した人たちに共通していたのは、「自分のスキルを正確に言語化できていた」という点です。
工場での作業は、「毎日同じことの繰り返し」に見えます。しかし、そこで積み上げてきた経験を掘り起こすと、以下のような価値あるスキルが見えてきます。
- 品質管理:不良率〇%削減、クレーム件数〇件→〇件に改善
- 生産性改善:カイゼン提案でサイクルタイム〇秒短縮
- コスト管理:材料ロス率を〇%削減し、年間〇万円のコスト低減
- 人材育成:新人〇名のOJT担当、全員が3ヶ月以内に戦力化
「具体的な数字」と「貢献した成果」をセットで言葉にします。これができると、転職市場での自分の価値が大きく変わります。
年収100万円アップに必要な準備②——資格取得と専門性の強化
転職前に資格を取得することで、年収の交渉力が上がります。製造業出身者に特におすすめの資格を書きます。
QC検定(品質管理検定)
品質管理の知識を体系的に示せる資格です。2級以上があると、品質管理部門への転職で有利になります。独学でも取得可能で、取得コストが低いため費用対効果が高い資格です。
機械保全技能士
設備保全・メンテナンスの専門知識を証明できる国家資格です。2級以上があると設備管理・保全職への転職が有利になり、年収アップにつながります。
危険物取扱者(甲種・乙種4類)
化学工場での経験がある方にはすでに馴染み深い資格ですが、持っていない場合は転職前に取得しておくと選択肢が広がります。特に石油・化学系の企業では高く評価されます。
施工管理技士(2級)
建設業への転職を考えている方は、施工管理技士の資格があると年収が大幅にアップするケースがあります。建設業は慢性的な人手不足であり、資格保有者の採用ニーズが高い状況が続いています。
年収100万円アップに必要な準備③——転職エージェントの戦略的活用

年収アップを実現した人に共通するもう一つの特徴は、転職エージェントを「戦略的に」使っていた点です。
ただ求人を紹介してもらうだけでなく、「年収交渉」の場でもエージェントをフル活用しています。
転職エージェントは、採用企業から成功報酬をもらう仕組みです。つまり、エージェントにとっても「求職者の年収を上げる」ことは利益につながります。そのため、年収交渉に積極的に動いてくれます。
dodaは求人数が多く、製造業出身者の転職支援実績も豊富です。最初の面談で希望年収をはっきり伝えておくと、その条件に合う求人を中心に紹介してもらえ、内定後の年収交渉も任せられます。
パソナキャリアは、管理職・専門職案件に強みがあります。製造業でのキャリアを活かして管理職ポジションを目指したい方に特に向いています。年収600万円以上の求人も多く、年収アップを目指す転職に向いています。
まとめ
製造業の所定内給与の平均は、全産業平均をやや下回ります。だからこそ、工場での経験を活かせる職種に移れば、年収が上がる余地があります。
年収を上げた人がやっていたのは、特別なことではありません。工場での仕事を数字で書き出すこと、狙う職種に合った資格を取ること、転職エージェントに希望年収をはっきり伝えて交渉を任せること。この3つです。
まずは今の仕事で出してきた成果を、数字で書き出すところから始めてみてください。そのメモを持って転職エージェントに相談すれば、自分の経験がどの職種で、どのくらいの年収で評価されるのかが見えてきます。
参考資料
- ※1 厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査 結果の概況」|厚生労働省



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